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用語集

半導体の売買や相場で使う言葉を、やさしく説明します。

GPU

VRAM(ビデオメモリ)
グラフィックボード(GPU)に直接のっている専用メモリのこと。大きいほど、重い映像やAIモデルを一度に扱えます。
GDDR6X
グラフィックボード用メモリの一種。GDDR6を高速化した規格で、NVIDIAのRTX 30/40世代の上位モデルに使われました。
GDDR7
2024〜2025年から使われ始めた最新のグラフィックボード用メモリ。GDDR6Xより3割以上速いのが特徴です。
HBM3/HBM3E
AI用のデータセンターGPUに使われる、メモリチップを縦に積み重ねた超高速メモリ。一般向けグラフィックボードには載りません。
CUDAコア
NVIDIA製GPUの中にある、計算を担当する小さな演算ユニットの数。多いほど同時にこなせる計算が増えます。
Tensorコア
NVIDIA製GPUに入っている、AI(行列計算)専用の演算ユニット。AI推論や学習の速さに直結します。
NVLink
NVIDIA製GPU同士を直接つなぐ高速な専用ケーブル/配線。複数GPUで1つの大きなAIモデルを動かすときに使います。
FP8/FP4(低精度の数値形式)
数字を8ビットや4ビットという少ない桁で表す形式のこと。精度を少し下げる代わりに、AIの計算を速く・省メモリにできます。
TFLOPS(テラフロップス)
1秒間に何兆回の小数の計算ができるかを表す単位。GPUやAI用チップの計算力の目安です。
スパース性(Sparsity)
AIモデルの中の「ゼロに近くて計算しなくてよい部分」を飛ばして速くする仕組み。仕様表の数字が2倍に見える原因になります。
SXM(GPUのモジュール形状)
NVIDIAのデータセンター用GPUで使われる、専用の基板に直接取り付ける形のGPUモジュール。PCIeカード型より電力と通信速度に余裕があります。
OAM(OCPアクセラレータモジュール)
AI用チップを載せるモジュールの業界共通の形。AMDのInstinct MI300Xなどが採用しています。
NVLink Switch
たくさんのGPUをNVLinkで一斉につなぐための中継装置。ラック1台分のGPUを、まるで1つの巨大なGPUのように動かせます。

共通

TDP/TGP(消費電力の目安)
そのチップやボードが出す熱・使う電力の設計上の目安(ワット)。電源や冷却をどれだけ用意すべきかの基準です。
PCIe(世代)
グラフィックボードやSSDをマザーボードにつなぐ共通規格。世代(Gen3/4/5)が1つ上がると速度が約2倍になります。
アーキテクチャ(世代)
チップの内部設計の世代名のこと。NVIDIAなら「Hopper」「Blackwell」、AMDなら「Zen 5」など。同じコア数でも世代が違えば性能は別物です。
プロセス(nm)
チップを作るときの回路の細かさを表す数字(ナノメートル)。小さいほど新しく、省電力で高性能な傾向です。ただし数字はメーカーごとの「呼び名」でもあります。
EOL(生産終了)
メーカーが「この製品の生産・販売を終える」と決めること。EOLが発表されると、残りの在庫の価値が急に動きます。
CXL(コンピュート・エクスプレス・リンク)
CPUとメモリやAIチップを高速につなぐ新しい規格。サーバーのメモリを後から増やす用途などで使われます。
TSMC N3/N4(製造プロセス名)
世界最大の半導体受託製造会社TSMCの、3nm級(N3)と4nm級(N4)の製造技術の名前。最新のCPUやGPUの多くがこれで作られています。
チップレット
1つの大きなチップを作る代わりに、小さなチップ(ダイ)を複数組み合わせて1つの製品にする作り方。
ヒートシンク
チップの熱を空気に逃がすための金属の部品。羽根(フィン)がたくさん付いた形が多いです。
MTBF(平均故障間隔)
製品が壊れるまでの平均的な時間を表す数字。ただし「1台がその時間もつ」という意味ではありません。
ウエハー
半導体チップを作るための、薄く丸いシリコンの円盤。1枚から多数のチップが切り出されます。
歩留まり(ぶどまり)
作ったチップのうち、良品として使えるものの割合。高いほど効率よく安く作れます。
ビン(選別)
できあがったチップを、性能や品質の検査結果によってグループ分けすること。同じ設計から上位・下位の型番が作られます。

CPU

コア/スレッド
コアはCPUの中の「頭脳の数」、スレッドは同時に受け付けられる「仕事の列の数」。多いほど同時作業に強くなります。
クロック(動作周波数)
CPUやGPUが1秒間に何回「刻む」かを表す数値(GHz)。同じ世代なら高いほど速いですが、世代が違うと単純比較はできません。
L3キャッシュ
CPUの中にある高速な一時置き場のうち、いちばん大きいもの。ゲームなどでは容量が多いと速くなることがあります。
ソケット(AM5/LGA1700/LGA1851)
CPUをマザーボードに取り付ける「差し込み口」の規格。合わないと物理的に取り付けられません。中古CPU選びの最初の確認項目です。
iGPU(内蔵グラフィック)
CPUの中に入っている簡易なグラフィック機能。これがあればグラフィックボードなしでも画面が映ります。
3D V-Cache(3Dブイキャッシュ)
AMDのCPUで、キャッシュメモリのチップを縦に積み重ねて容量を大きく増やす技術。型番の末尾が「X3D」の製品に使われています。
Pコア/Eコア
Intelの第12世代以降のCPUなどにある、性能重視の「Pコア」と省電力重視の「Eコア」という2種類のコアのこと。
NPU(AI処理専用の回路)
AIの計算だけを省電力でこなすための専用回路。最近のノートPC用CPUに内蔵されています。
ハイパースレッディング(SMT)
1つのコアで2つの仕事を同時に受け付ける技術。OSからはコア数の2倍の「スレッド」があるように見えます。
Socket SP5
AMDのサーバー用CPU「EPYC 9004/9005シリーズ」が使うCPUソケット(差し込み口)の規格。
LGA4677(Socket E)
Intelのサーバー用CPU、第4世代・第5世代Xeon スケーラブル・プロセッサーが使うソケット。
型番の末尾記号(K/F/X3Dなど)
CPUの型番の最後に付くアルファベット。機能の有無や用途の違いを表しています。

メモリ

DRAM
パソコンやサーバーの「メインメモリ」に使われる記憶チップ。電源を切ると中身が消える、作業机のような存在です。
DDR4/DDR5
パソコン用メインメモリの世代。DDR5が新しく速いですが、形が違うので差し替えはできません。マザーボードがどちら対応かで決まります。
UDIMM/RDIMM/SODIMM
メモリモジュールの形の違い。UDIMMはデスクトップ用、RDIMMはサーバー用、SODIMMはノートPC用の小型。形が違うと使えません。
ECC(誤り訂正)
メモリのデータが一部化けても自動で直す機能。サーバーや業務用途で使われ、対応にはCPUとマザーボードの両方が必要です。
ランク
1枚のメモリモジュールの中で、まとめて読み書きされるチップのグループの数。1R(シングル)、2R(デュアル)などと表記します。
CL(レイテンシ)
メモリに「このデータをください」と頼んでから返ってくるまでの待ち時間を表す数値。小さいほど速いですが、クロックと合わせて見る必要があります。
XMP/EXPO
メモリの「本来より速い設定」をBIOSで1クリックで有効にする仕組み。XMPはIntel、EXPOはAMDの名前です。
JEDEC(業界標準団体)
メモリの規格を決めている国際的な業界団体。「JEDEC準拠」と書かれていれば、標準どおりの速度・電圧で動く定格品という意味です。
メモリチャネル
CPUとメモリの間にある、データの通り道の数。道が多いほど、一度にたくさんのデータを運べます。
MRDIMM
サーバー用メモリの新しい種類で、2つのランクを同時に動かして、通常のメモリより速くデータを送れるようにしたもの。
CAMM2
ノートPCなど向けの新しいメモリモジュールの形。基板に押し付けて固定する方式で、薄く高速にできます。
LPDDR5X
スマホやノートPC向けの省電力メモリ「LPDDR5」の高速版。最近はAIサーバーのCPU用メモリにも使われます。
オンダイECC
DDR5メモリのチップの中にある、チップ内部のデータの誤りを自動で直す仕組み。サーバー用の「ECCメモリ」とは別物です。

SSD・NAND

NAND(フラッシュメモリ)
SSDやスマホの保存領域に使われる記憶チップ。電源を切ってもデータが消えません。
SLC/TLC/QLC
NANDの記憶セル1個に何ビット詰め込むかの違い。SLC=1、TLC=3、QLC=4ビット。詰め込むほど安いが、書き換え回数の上限が減ります。
TBW(総書き込み容量)
そのSSDに「合計で何テラバイト書き込めるか」の保証値。中古SSDの残り寿命を見積もる基本の数字です。
DWPD(1日あたり書き込み回数)
SSDの全容量を1日に何回分書き込めるかを示す耐久性の単位。企業向けSSDで使われ、TBWと容量・保証年数から計算できます。
NVMe
SSDをPCIeでつなぐときの通信のルール(プロトコル)。古いSATA方式より何倍も速いです。
SATA
ハードディスクやSSDをつなぐ昔からの規格。遅いですが、古いパソコンの延命や大容量保存ではまだ現役です。
M.2/U.2(フォームファクタ)
SSDの形の規格。M.2は小さな板状で一般PC向け、U.2は2.5インチの箱型でサーバー向けです。
PCIe Gen4/Gen5 SSD
NVMe SSDの速度世代。Gen5はGen4の約2倍速ですが、発熱が大きく、対応マザーボードでないと性能が出ません。
DRAMキャッシュレス(DRAMレス)
SSDの中にデータの「地図」を置くためのDRAMを省いた、安価なタイプ。小さなファイルを大量に扱う作業では遅くなることがあります。
SLCキャッシュ
TLCやQLCのSSDが、空いている領域を一時的に高速な書き込み場所として使う仕組み。キャッシュが尽きると速度が落ちます。
HMB(ホストメモリバッファ)
DRAMを載せていないSSDが、パソコン本体のメモリの一部を借りて、データの住所録を置く仕組み。
E1.S/E3.S(EDSFF)
データセンター向けの新しいSSDの形。細長い定規のような形や、少し大きな箱型などがあります。
U.3
2.5インチのサーバー用SSDの接続規格で、1つのスロットでNVMe・SAS・SATAの3種類を使えるようにしたもの。
PLP(電源断保護)
停電などで突然電源が切れても、書き込み途中のデータを守るための仕組み。主に企業向けSSDに搭載されています。

取引・相場

スポット価格
「いま、その場で1回だけ」売買するときの値段。市場の空気をいちばん早く映す数字で、動きが激しいです。
契約価格
メーカーと大口の買い手(PCメーカーやクラウド事業者)が、月や四半期ごとに決める卸値。業界の相場の「本線」です。
中央値
集めた価格を小さい順に並べたとき、ちょうど真ん中にくる値。極端に高い・安い1件に引っ張られないので、相場の「ふつう」を表すのに向いています。
件数 n
その相場を計算するのに使った取引・出品データの数。nが小さい相場は「参考程度」と考えてください。
レンジ(25〜75%)
価格を安い順に並べたとき、下から25%の位置と75%の位置の値の幅。真ん中半分の取引がどの範囲に入っているかを示します。
残存率
中古の相場が、発売時の定価(または新品価格)の何%残っているかを示す数字。値崩れの速さを型番ごとに比べられます。
取得難易度
その型番を「いま手に入れるのがどれだけ難しいか」を段階で示す指標。出品数・在庫・価格の上昇スピードなどから決めます。
流動性
「売りたいときにすぐ売れるか、買いたいときにすぐ買えるか」の度合い。取引が多い型番ほど流動性が高いです。
鞘(スプレッド)
「買い取り価格」と「販売価格」の差。または、売り手の希望価格と買い手の希望価格の差。業者の利益の源であり、相場の不安定さの目印でもあります。
ジャンク
「動作保証なし・返品不可」で売られる品。動くかもしれないし、部品取り用かもしれない。相場の集計からは分けて扱います。
マイニング落ち
暗号資産(仮想通貨)の採掘=マイニングに使われていた中古GPUのこと。長時間フル稼働していた可能性があり、見分け方と値付けに注意が必要です。
リファービッシュ(再生品)
メーカーや業者が点検・修理・清掃をして「動作を確認済み」として売る中古品。保証が付くことが多く、ジャンクや一般中古より高めです。
ITAD(IT資産処分)
企業が使い終わったパソコン・サーバーなどを、データ消去・再販・リサイクルまで安全に処分するサービス業のこと。中古半導体の大きな供給源です。
データ消去(NIST SP 800-88)
中古のSSDやHDDを売る前に中のデータを復元できないようにする作業。米国の標準「NIST SP 800-88」が世界的な基準になっています。
輸出規制(EAR)
米国政府が「米国製の高性能チップを特定の国へ送ることを制限する」ルール。日本の業者が海外に再販するときにも関わります。
外為法(安全保障貿易管理)
日本の法律で、兵器に転用されうる製品や技術を海外へ出すときに経済産業大臣の許可を求めるもの。半導体も対象になり得ます。
古物商(古物商許可)
日本で中古品を「商売として」売買するために必要な、都道府県公安委員会の許可。中古のパソコン部品の買い取り・転売も対象です。
ES品・QS品(エンジニアリングサンプル)
正式発売前に、メーカーが開発や検証のためにパートナー企業へ配る試作品のこと。一般販売は想定されていません。
リマーク品
チップの表面の刻印やラベルを書き換えて、別の(多くは上位の)型番に見せかけた偽装品。
OEM版・バルク品
パソコンメーカーなどの組み込み用に出荷された製品や、化粧箱なしでまとめて卸される製品のこと。
リテール品(箱入り品)
一般の店で売るために、化粧箱・説明書・付属品をそろえて出荷された製品のこと。
トレイ品
CPUなどを、化粧箱に入れず、プラスチックのトレイにたくさん並べた状態で出荷したもの。組み込み業者向けの形です。
正規代理店
メーカーから正式に認められ、その国で製品を仕入れて販売している会社のこと。
並行輸入品
正規代理店を通さず、海外で買った正規品を別のルートで日本に持ち込んで売る製品のこと。
古物営業法の取引記録(帳簿)
古物商が中古品を買い取ったときなどに、取引の内容を帳簿などに記録しておく義務のこと。
MSRP(メーカー希望小売価格)
メーカーが発表した「この値段で売ってほしい」という目安の価格。多くは米ドルで発表されます。
TCO(総所有コスト)
機器を買う値段だけでなく、電気代や保守費、処分費まで含めた「持っている間にかかる費用の合計」。
減価償却
高い機器を買ったとき、その費用を一度に計上せず、使える年数に分けて少しずつ費用にしていく会計のルール。
残存価値(リセールバリュー)
使い終わったあとに、その機器がいくらで売れるかという価値のこと。
在庫回転(在庫回転率)
仕入れた在庫が、一定期間に何回入れ替わったか(売れたか)を表す数字。高いほど在庫が早く売れています。
ロット
同じ条件でまとめて作られたり、まとめて取引されたりする製品のひとかたまりのこと。
ECCN(輸出規制分類番号)
アメリカの輸出規制で、製品ごとに付けられる分類の番号。番号によって輸出に許可が必要かどうかが決まります。
HSコード(関税分類番号)
世界共通で使われる、輸出入する品物の分類番号。関税の税率や貿易統計がこの番号で決まります。
輸入消費税
海外から品物を輸入するときに、税関で支払う消費税。国内で買うときと同じく10%(標準税率)がかかります。
データセンター撤去(デコミッション)
データセンターで使い終わったサーバーや機器を取り外して運び出すこと。中古部品の大きな仕入れ元です。
動作確認済み
売る前に、その製品が動くことを確かめましたという表示。ただし、何をどこまで確かめたかは売り手によって違います。